フランス流ドレッシングは家庭の味

2021/07/20

皆さま、フランスからボンジュール!

今回はフランスのドレッシングについてご紹介したいと思います。

日本では種類豊富なドレッシング。
ドレッシングを使ったお料理へのアレンジレシピなども豊富で、冷蔵庫に複数常備されている方が大半だと思います。

市販のドレッシングは気軽にサラダの味を毎回変えて・・・と楽しめるのがメリット。その一方で、添加物が気になったり、冷蔵庫が色んな味のドレッシングボトルでいっぱいになったり、賞味期限がきれたり、とデメリットもありませんか?

こちらフランスでは、スーパーでドレッシングを買うことはあまり一般的ではありません。そして、スーパーでの品揃えも豊富とは言えません。というのも、ドレッシングは家で作るものという認識だからです。
手作り

フランスの家庭では、前菜あるいは食後のチーズと共にサラダを食べる習慣があります。ただし、そのサラダというのは日本でイメージするサラダ(レタスにきゅうり・トマトや茹でたまご、ハムなどのトッピングされたボリューミーなもの)とは異なり、レタスを一玉洗ってちぎっただけのものなのです。大きなボールに盛って、各自が食べたい分だけ取り、ドレッシングをかけて食べるというスタイルです。
野菜

日本のような具沢山のサラダは、フランスで言うところのサラダニソワーズ(ニース風サラダ)やサラダリヨネーズ(リヨン風サラダ)が有名ですが、これらはサラダというよりもメイン料理のくくりに入ります。例えば、カフェのメニューでも、これらの具沢山のサラダにパンを添えてランチメニューになったりします。

話を戻しますが、ドレッシングはフランス語でVinaigrette(ヴィネグレット)と呼びます。Vinaigrette(ヴィネグレット)とは、酢(Vinaigre/ヴィネーグル)と油を混ぜたもの。これを読んでピンときた方も多いと思いますが、材料は酢と油を混ぜただけの簡単なものなので、家で作るのが一般的というわけです。
オイル

Vinaigrette(ヴィネグレット)の味は、家庭により多種多様です。
バルサミコ酢やワインビネガー、フランボワーズ酢、リンゴ酢などのベーシックな酢に、オリーブオイルやサラダ油を投入したものがベースとなります。これだけで食べる方も多いくらいですが、これに玉ねぎやニンニク・エシャロット、刻み胡桃、パセリ、シブレットなどの薬味/ハーブを混ぜたり、マスタードを混ぜてVinaigrette à la moutardにしたり。
薬味

家にある材料で、どんな酢を混ぜるか、どの薬味/ハーブを混ぜるかによって味も風味も変わるので、ドレッシングを買う必要がないのです。それに塩分の調整も好きなようにできますし、添加物も一切ないので安心して食べられます。

フランスに住んでいると貴重な和風ドレッシングだって、実は簡単。上記の酢とオイルのベースにしょうゆやごま油、胡麻を混ぜるだけ。

これらの配分によって各家庭で味が異なるVinaigrette(ヴィネグレット)。それが家庭の味なのです。

他にも、Vinaigrette(ヴィネグレット)の延長でマヨネーズを手作りする家庭もあります。これも家庭の味で、家ごとにレシピがあります。日本では、マヨネーズを作ろうとすると分離したり、混ぜる作業が大変だったりするのであまり手作りされる方はいらっしゃらないと思いますが、フランスでは材料のマスタードや酢の成分のおかげなのか、失敗なく簡単に作ることができます。私自身もこれまでいろんなフランス人の手作りマヨネーズを頂いたことがありますが、手作りはまろやかでおいしい!

手作りドレッシングは家にある材料で簡単にでき、全く手間はかかりません。混ぜるだけ。

手作りすると、新鮮なレタスだけのサラダでもおいしく感じられるかもしれません。ぜひ手作りドレッシング生活を始めてみてはいかがでしょうか?