フランス人の朝ごはん
2021/06/19
皆さま、フランスからボンジュール!
フランスといえば、パンの国。
朝食にはパン屋さんのおいしい焼きたてパン!をイメージする方が多くいらっしゃると思います。しかし実際のフランス人の朝の食卓は結構質素なのです。
今回はフランス人の朝食の様子をご紹介します。
毎日の朝食に皆様は何を召し上がりますか?
和食派、洋食派、いろいろなチョイスがあると思います。和食派の朝食は、ご飯にお味噌汁、卵焼きに焼き魚や納豆・漬け物と朝からしっかりとバランスよく構成されていて、世界に誇る理想の朝食ですね。一方、洋食派の朝食でも、トーストパンと目玉焼き・ウインナーとサラダや季節のフルーツなどの組み合わせが一般的でしょうか。
どんなチョイスであっても日本人の場合、主食とおかずという組み合わせで構成される場合が多いでしょう。
しかしここフランスでは、朝食に時間と手間は割きません。
なぜなら、男女平等の国柄、女性も自立して働くのが当たり前で、必然的に共働き家庭が多く、家での家事に時間を割いていられないからなのです。
特に平日は、夕食さえも簡単な一品メニューで済ます家庭も多いくらいです。
では実際に毎日の朝食の内容はというと、パンにジャム・はちみつ・バターかヌテラ(ヘーゼルナッツのチョコペースト)など各自好みのものを塗ったタルティーヌに、カフェオレやショコラショー(ココア)、フルーツジュースの組み合わせが主流です。卵料理やハム類、サラダなどは一切ありません。
タルティーヌに使用するパンは、前日の残りのバゲットか日持ちのする、パン・ド・カンパーニュや市販の薄切ブリオッシュパン、あるいはビスコットと呼ばれるサクサクのラスクみたいな乾パン。これなら調理は一切なく、洗い物はカフェオレボールかコップのみで、準備も3分以内で完了してしまいます。
余談ですが、フランス人のマナーというか食べ方で驚くのは、このジャムやバターを塗ったタルティーヌを、カフェオレボールにドボンと浸すのです。要はパンをコーヒーやカフェオレ、ココアの中に投入するのです。もちろん、カフェオレボールの中にはバターやジャム・パンくずが浮かんでしまいます。これは、パンが柔らかくなって食べやすくなる、パンに飲み物の味が染みておいしい、などの理由で行うようですが、私にはこの感覚はいまだに理解しがたいです。
ところで、クロワッサンやパン・オ・ショコラなどのViennoiseriesと呼ばれる菓子パンは食べないの?と疑問に思う方もいると思いますが、これらのパンは、毎朝食べるには高価で高カロリーなので毎日は食べません。
ゆっくり朝食を食べることができる週末の朝に、パン屋さんへ焼きたてを買いに行って家族で朝食をとるという家庭が多いです。
また、健康志向やダイエット中の方は有機穀物たっぷりのシリアルを食べたり、子供のいる家庭では子供向けのシリアルを食べるなど、家庭によって若干の異なりはありますが、基本的に日本の朝食のような調理を必要とする献立は登場しません。
もしもフランス人に日本式の朝食を提供すると、朝から塩っぱい物は食べられない!と言われてしまいますので、要注意です。
そして、愛の国でもあるフランスでは、週末や特別な日の朝食を男性が用意して、Plateauと呼ばれるおぼんにセッティングしたものを、ベッドで寝ている女性の元に届ける、なんていうロマンチックなこともよく行われます。目を覚まして一歩も動かずに朝食が運ばれてくる、というのはフランス人にとって至福のようです。
年齢や家族構成にかかわらず、こういう時間を大切にするのは、さすが愛の国フランスのなせる業ですね。
バランスの良い朝食をとることも大切ですが、慌ただしい朝の時間を簡略化することで睡眠・休息・リラックスの時間を大切にすることは心の健康を保つためにも大事なことです。
平日の忙しい朝は、フランス風朝ごはんで少し楽をしてみませんか?
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