じゃがいも大国、フランス

2021/02/22

今回はフランスで大活躍の「じゃがいも」についてお届けします。

皆さま、フランスからボンジュール!

冬の日照時間が短いヨーロッパでは、秋から連日薄暗い日が続き、そろそろ春の到来が待ち遠しくなってきました。身体もビタミン不足で悲鳴をあげています。
立春を迎えて、今月は毎日3-4分ずつ日が伸びていっています。
一月は9時ころに日が昇り17時前には日が沈むので、太陽を拝める機会が少ないのがつらかったのですが、二月になると大体8時ころ日が昇り、18時ごろに日が沈みます。これは本当に気持ちが良いです。フランス人が夏にビーチで思い切り太陽の光を浴びるのは、日照時間が短い冬の太陽不足を夏の間に補うため、といわれています。太陽の光を思う存分浴びてビタミンチャージ、というのは理にかなっていますね。

さて、そんな春が待ちきれないフランスで、天候に関わらず年中活躍する食材がジャガイモ!
じゃがいも

パンが主食の国柄ですが、ジャガイモ消費も世界では上位。なかなかのものです。フランス人一人当たりの消費量は、日本人一人当たりの消費量のおよそ三倍だとか。フランス独特の有名なお料理では、ムール貝やステーキに定番の付け合わせフリット、それからドフィノワ(いもグラタン)、ガレットにピュレ、アリゴ(伸びるマッシュポテト)など、地方ごとにたくさんのレシピがあります。
レシピ

家庭でもレストランでも日々相当量消費がされるわけですが、スーパーのジャガイモ売り場はもうそれは大変なことです。壁一面・棚一面、ずらっとこんなに大量のジャガイモが・・・。
スーパー陳列棚

茹でる、蒸す、焼く、揚げるなど調理法に合わせてジャガイモを選ばないといけないほど、とにかく種類が豊富。

そして忘れてはいけないのは、じゃがいも大国フランスは、生産量も世界トップ10に入るということです。

昨年からの新型コロナウイルスの影響で、フランスの飲食店は政府からの営業禁止令により昨年10月末から継続して閉店状態です。営業再開の見通しは少なくとも4月とも言われており、まだまだ厳しい状況は続きます。
フランス国内で流通しているじゃがいもの多くは、これらの飲食店が多くを消費しているために、じゃがいも生産者にも大変な悪影響を与えています。飲食店に出荷する予定だったじゃがいもの行き場がなくなり、このままだと廃棄となるそう。
政府は、新型コロナウイルスの大きな被害者である飲食店の陰に隠れた第二の被害者がじゃがいも生産者であるということを認知し、生産者たちへも支援金を配布することを1月に発表しました。

レストランで食べた数々のじゃがいも料理の写真を見返しては、また以前のようにレストランで食事ができる日がくることを心待ちにして、しばらくは自宅でじゃがいも家庭料理の腕を上げるべく精進していこうと思います。