お米がお腹の薬?

2026/03/04

皆さま、フランスからボンジュール!

以前2023年10月のコラムでフランスのお米事情についてご紹介したのですが、フランス人のお米の炊き方やパンと一緒に食べることなど、我々日本人にとっては驚きの内容を書かせて頂きました。
そして今回は、そのお米のフランス人に知られている効能についてお話します。

米

私たち日本人は米食。おいしいツヤツヤの炊き立てごはんがごちそうであり、そのお米の品種改良や炊飯方法、お釜の開発までお米が様々な文化の中心にあると言っても過言ではありません。

畑

そして何より、赤ちゃんの時に生まれて初めて口にする離乳食だって十倍粥のお米から始まるのですから、その重要さは一目瞭然。
子供が赤ちゃんの頃、私は小児科医にそろそろ離乳食を始めるように、とアドバイスのたくさんついた案内を頂きました。当時何も知らない私は興味深くその用紙を読み込んだのですが、<米>は生後7-8か月になるまで避けるように、となっているではありませんか!
というのも、米は消化が悪く、赤ちゃんの胃腸に負担がかかる、そして便秘を引き起こすから、ということなのですが、それではなぜ日本の赤ちゃんは十倍粥から始めるのか、私だって元気に育ったじゃないか、と納得がいかなかったのです。

赤ちゃん

そこで、あぁそうか!フランス人にとってお米はシリアルの一種で、洗米せずにパスタのように茹でてゆで汁をザルで湯切りして、少し蒸らしてから食べるんだ、というのを思い出し、この調理方法に原因があることを理解しました。

調味料

まず、洗米をしないこと。洗米の時に出るとぎ汁は乳酸菌が豊富なんだとか。もしかするとこの乳酸菌の多さが赤ちゃんには刺激が強いのかも。
そして茹で方。日本ではじっくり火加減を調整しながら炊飯器やお釜で芯までふっくらとなるように炊きますが、フランスはパスタのようにお米を短時間で茹で、ゆで汁を湯切りすることから日本の方法のように柔らかい仕上がりにはなりません。この芯が残るような茹で方では確かに消化に悪そう。

お粥

こんなことを脳内で納得させ、結局は日本式の炊飯方法で我が家も離乳食のメニューのひとつに晴れて十倍粥も加えることができました。もちろん便秘や消化不良の問題はありませんでした。

お米のカルチャーショックは、調理方法や離乳食だけでは終わりません。
<下痢にはお米のゆで汁を飲む>という治療方法です。
家族の誰かが下痢になった時、そして我が家のワンちゃんまでもが、お腹の調子が悪くなると、皆揃って応急処置としてとりあえずお米のゆで汁を飲ませて!と(動物病院の先生までもが)そう言うのです。
フランス式の方法でお米を茹でて、そのゆで汁を飲ませる(少しのはちみつを加えてもOK)、という方法をなかなか医者の予約がとれないフランスで、神にもすがる思いで試すのですが、不思議なことに一時的に下痢の症状(軽度の下痢に限る)が収まります。
これが噂の便秘を引き起こすから赤ちゃんには与えないで、というものでしょうか。

女性

なぜお米のゆで汁が下痢に効果的なのか?を調べてみたところ、主に米に含まれるデンプンが天然の増粘剤として働き、炎症を起こした腸壁にバリアを張り、落ち着かせるという原理のようです。
またデンプンは水分とナトリウムの吸収を促進し、便の粘稠度を改善するのに役立ち、さらに、お米のゆで汁には少量のカリウムとマグネシウムも含まれており、脱水症状に陥りがちな状態の体に対して水分補給を助けてくれるのだそう。
とはいえ、お薬ではありませんから症状が続く場合には医者に診てもらいます。

蓋

お米と言っても世界中たくさんの種類があり、たくさんの調理法があります。
品種の違いも大きいですが、調理方法で味・食感以外に、効能まで変わるなんて、食材の取扱いはとても大切だなと感じました。
日本でも試すことができるお腹の具合が悪い時の応急処置、頭の片隅で覚えておいていただくと、緊急時に役立つかもしれませんね。