
フランス人は辛いのが苦手?
2025/09/29
皆さま、フランスからボンジュール!
まだまだ残暑の厳しい日々が続いていると思いますが、秋の気配も一歩ずつ近づいてくる頃、日本の美しい季節の移り変わりを楽しめる時期になりますね。
こちらフランスはまさに女心と秋の空、を映したような目まぐるしく変わる気温やお天気の変化に着る物や体調が振り回されるこの頃です。
さて、そんな暑い時も寒い時にも、日本では辛い物を食べて元気をつけよう!と思うのですが、こちらフランスでは辛い料理がなかなか思い浮かびません。
それもそのはず、フランス人は唐辛子や舌がしびれるようなスパイスを使用するお料理を滅多に食べません。
そう、全般的に辛い物が苦手な人種なのです。
辛いもの、というとやはり一番は唐辛子、他に胡椒や香辛料が当てはまります。
でもフランス料理の味のアクセントには、<辛味>を加えることより、ハーブなどで<香り>をつけることの方が多く、その料理方法が辛さの普及しない一因となっているかもしれませんね。
一方で、コショウの実は、フランスでポピュラーなおつまみである乾燥ソーセージ(サラミ)やパテにふんだんに使用され、口に含んだ際のピリッとフワッとのアクセントになっています。またマスタードのツンとした辛味もフランス人は大好きで、マヨネーズと同等の立ち位置に君臨しています。
他に、フランス産の有名な唐辛子もあります。
バスク地方(スペインとフランスをまたがる地域)に位置する村の特産品エスプレット唐辛子はフレンチシェフたちに人気のスパイスで、小ぶりで強烈な辛味はなく、香りを楽しめる唐辛子。トマトベースの煮込み料理のアクセントに使われたりします。
生の唐辛子、フランス語ではPiment/ピモンですが、お野菜売り場ではショウガやココナッツなどのエキゾチック野菜とともによく陳列されています。
割とどこでも手に入るものですが、購入客のほとんどがアフリカ系やアラブ系、アジア系の移民。
また、ハーブ香辛料の売り場では様々な辛さの唐辛子粉やスパイス・胡椒が並んでいますが、普通のフランス人が手に取るのは優しい辛さ/Piment douxのタイプか辛味のないパプリカ粉/Paprika doux。
辛味が強いものや海外の唐辛子は、辛いものやスパイスをよく使う移民が好みます。
唐辛子自体は、たびたび健康雑誌などでも取り上げられるので、カプサイシンの効果で痩身や痛み止めに効果がある、というのは知られていますが、同時に胃が痛くなったり痔が悪化するなどのデメリットも有名なので、保守的なフランス人は辛味の味付けにとても気を付けている印象です。
とはいえ、昨今パリに渦巻いている韓国ブームや本格的な四川料理のレストランが増えたこともあり、激辛にチャレンジするパリジャンも増えてきました。
やっぱり辛いものは暑い時には元気が出て、寒い時には温まるので、適度な辛さを適度な量で楽しみたいですね。
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