フランス版お誕生日の祝い方

2025/05/28

皆さま、フランスからボンジュール!

ゴールデンウィークも終わり、蒸し暑い日々がやってきますね。
夏風邪にはお気をつけてお過ごしください。

さて、今日はフランスでのお誕生日についてご紹介します。
一人一人がこの世に生を受けた大切な記念日であるお誕生日。楽しい気持ちと感謝の気持ちで新たな一年の幕を開く、大切な一日です。

女の子

国別で祝い方にはそれぞれあるようですが、こちらではフランスと日本のお誕生日の祝い方を比べてみたいと思います。

まずは幼少期。この段階では日本とフランス、さほど大きな違いはありません。
赤ちゃんの頃は家族が子供の成長をかみしめる、心温かな一日、というのは日本もフランスも変わりません。

家族

幼稚園から低学年になると、日本ではお友達を招いてお誕生日会を開催することもあると思います。
親が頑張って、主役の子供とそのお友達が楽しめるように、頑張る一日となりますね。
フランスでも同じです。

ピクニック

学校に招待状を持って行って、来てもらいたいお友達たちに配り、土日の午後おやつの時間に3時間ほど集まって一緒に遊びます。
自宅で、公園で、あるいは室内アスレチック場やレーザーゲーム、ボーリング、ファーストフード店でお誕生日パック(一人10-20ユーロくらいの予算)も提案されていて、今年はどれにしようというくらい選択肢はあります。
ちなみに、幼稚園や小学校のクラスでお祝いをしたいという場合は、担任の先生に相談すれば、ケーキとジュースを持参しておやつの時間を作ってくれる場合もあります。

ピース

中学生以降の思春期のころは、家族でのお祝いとは別に、お友達間でのお付き合いが増えてきますよね。お友達同士でプレゼント交換をしたりするのが日本流かと。
フランスでは家族でのお祝いの他、友人と誕生日祝いのテーマパークへ出かけたり、などが人気です。

18歳の誕生日は成年の年なので、盛大にパーティーを開催します。
日本の成人式のような区切りがないので、主役と家族が成人のお誕生日兼成人パーティーを自宅などで開催し、友人や家族・親戚をたくさん招き、場合によっては貸施設(Salle des fêtesと呼ばれる披露宴やイベントなどをする貸部屋やパーティー会場)での大がかりなイベントをすることも。

ケーキ

その後は日本同様、徐々に自分のペースで家族と、友人と、恋人とそれぞれが好きなように誕生日を祝うようになります。
日本では家族でも友人でも、誕生日の本人を喜ばせるためにサプライズをする傾向にありますが、フランスは逆。
誕生日の本人が、食事や旅行・自宅でパーティーなどやりたいことを決め、呼びたい人を選び招待します。呼ばれた人はプレゼントを片手に、誕生日の本人との素敵な時間を思い切り過ごす、というのがスタンダード。

男の子

ちなみに区切りの年(特に40歳、60歳)は18歳の時と同様、大がかりなパーティーを開催する方が多いです。もちろん、これも本人の開催(配偶者や家族が手配することも)。
一度60歳のお誕生日パーティーに呼ばれたことがありますが、家族・親戚・友人総勢40人ほど、宿泊施設に泊まり込み2泊3日の連日明け方までのパーティーでした。

乾杯

とはいえ、大人になって社会人となると、そうも誕生日とは言っていられなくなりますよね。
仕事にもプライベートにも追われ、誕生日当日もやることがたくさん。
フランスでは、仕事のある日が誕生日に当たると、誕生日の本人がパン屋さんで売られているヴィエノワズリー(菓子パン)、あるいはアペロセット(おつまみ)などを<今日は私の誕生日です>と言って、会社に差し入れし、上司や同僚と誕生日を祝います。
といっても会社は仕事をする場なので、休憩時間につまんだりする程度ですが。

休憩

年を取ることに前向きで、誕生日は何歳になってもうれしい記念日として、フランスでは本人主体で積極的にお祝いをします。

日本では誕生日が近い時の友人との集まりはサプライズがあるのをわかっていつつも、お祝いされるのを受け身になっていたので、フランス人が自分でお誕生日会を開催する、ましてや会社に誕生日本人が自ら差し入れを持っていくのを知って驚いたものです。
といっても、どちらも自分にとって大切な日を、楽しく祝うという根本は変わりありません。
誕生日のように、こうした日常にある特別なひと時が生活に強弱をつけてくれて、また明日も頑張ろうと思える良い機会になるんだと思うと、積極的にお祝いをしたいものだなと改めて実感します。

お皿