
フランス人はとうもろこしを食べない?
2025/04/28
皆さま、フランスからボンジュール!
こちらフランスでも桜が終わり、新緑がまぶしい季節となりました。
ここからは日本のように梅雨はありませんので夏へ一直線となります。
さて、これからの季節に楽しむ機会が増えること、そうバーベキューです。
フランス人は何といってもバルコニーやお庭で、太陽のもとバーベキューをするのが大好き。
日本ではわざわざバーベキューをしなくても、また季節にかかわらず焼肉という手段もありますよね。実はこちらでも日本の家庭用焼肉用ホットプレートに似たコンセントに繋げるタイプのプランシャ(Plancha)というものもありますが、これも結局室内では使用せず、夏にテラスやバルコニーでするのが一般的。
バーベキューや焼肉を食べる際に副菜として焼き野菜(玉ねぎ・しいたけ・人参など)を添えるのが一般的ですが、フランスの焼き野菜のラインナップを見ていていつも何かが足りないと感じていました。そう、夏野菜の定番とうもろこしがないのです。
そう考えると、スーパーでは缶詰のコーンは売られているものの、生のとうもろこしを見かけることはあまりありません。それには理由があるのです。フランス人にとってとうもろこしとは<お野菜>ではなく、<家畜のえさ>だからです。
実はフランスはヨーロッパにおけるとうもろこしの生産量一位の国です。
パリの玄関口、シャルルドゴール空港の周辺でも、離着陸時に上空から周辺を見ると広大な畑ばかり。そこには夏にたくさんのとうもろこしも植えられています。
フランスで生産されるとうもろこしのうち、66%が豚などの家畜飼料用で、他の用途はデンプン製造(化粧品など)、人間の食品加工(ポップコーン、ウイスキー、コーンスターチ、油など)、そしてエネルギー源(バイオガス、バイオエタノール)として使用されています。
こうして見ると納得、完全に穀物ですよね。
フランスのとうもろこし畑を眺めていると、夏の食べ時の青々したとうもろこしを収穫せず、そのまま干乾びるまで植えっぱなし。これがずっとなぜなのか疑問だったのですが、穀物として使用されることが主な用途ならば納得。
では、フランスではみずみずしいとうもろこしが食べられないのか、というとそういうわけでもありません。
先述のように、缶詰のコーンはサラダに使用されますし、生のとうもろこしはなかなかお目にかかることはありませんが、アフリカ系移民の多く住む地域のスーパーやエキゾチック野菜を多く扱うお店などでは見つけることができます。
最近ではスーパーで日持ちする密封の茹でとうもろこしが売られることも増えました。
とはいえ、フランス人がとうもろこしを野菜として認識するのはハードルが高く、どうしても彼らにとっては家畜のえさとしての穀物の印象が強いのです。
パリ周辺アフリカ移民が多い地区の街角では、とうもろこしを焼いているのをよく見かけます(違法な路上販売が多いですので注意)。懐かしい焼きもろこしの良い匂いだなと、思わず日本のお祭りを頭に浮かべてしまうのでした。
\シェアしてね!/