クリスマスの大定番、フォアグラ

2024/12/27

皆さま、フランスからボンジュール!

今年のフランスの冬は寒い!と感じる毎日です。
ここ数年暖冬が続いていたこともあり、特に寒く感じるのでしょうか。
年の瀬は特にすることが多く、きっと皆様慌ただしくお過ごしかと思いますがどうぞ寒さに負けずご自愛ください。

さて、フランス人にとっての年一大イベントであるノエル(クリスマス)も終わり、街中では家族で過ごすノエルの空気と年末に控える年越しの狭間にあるこの時期はそわそわが収まらないといった空気です。
一方で年越しカウントダウンさえ終わればお正月気分もなく日常に戻るのが面白いところ。
例えば、2025年であれば1月2日木曜日にはすーっと、普通の平日に戻ります。
これには何年たっても慣れません。

ライト

さて、この年末に家族や友人が集まるパーティーでよく口にする機会が多い食材がフランスならではの珍味、フォアグラ(Foie gras)。

フォア

フォアグラとは直訳すると<太った肝臓>。まさにその直訳の通り、人為的に肥大させたアヒルやガチョウの肝臓なわけですが、この食材は世界的に賛否両論あります。
特に動物愛護の観点から、肝臓を肥大化させるために必要以上の餌を無理やり食べさせるという飼育方法Gavage/ガバージュが多くの国から非難されるポイントです。
既にイギリスやドイツなど多くの国が製造を禁止しているうえに、アメリカの一部の州やインドなどでは販売も禁止されています。

アヒル

日本には規制がなく、高級レストランやホテルなどで消費されるとして世界でもフォアグラの大規模な輸入国として有名でした。
ここ数年、鳥インフルエンザの影響や動物愛護の観点から輸入量は右肩下がりですが、それでもまだ輸入食材店などで入手は可能です。

脂たっぷりの肝臓ですからやはり特有のこってり感と独特の食感ですが、フランスではこの時期、前菜としてPain d’épice(はちみつやスパイスたっぷりの焼き菓子)のうえにフォアグラスライスとイチジクのジャムを添えて食べたり、Verrineと呼ばれるカップに入った一口前菜に添えたり、ノエルと年末のごちそうの代名詞として人気食材です。

ケーキ

年末の手持ちギフトにも詰め合わせになっている瓶詰のフォアグラセットがこの時期お店によく並びます。そして11月ごろからスーパーのフォアグラ売り場が拡大されていきます。

スーパー

フランス国内でもこのフォアグラについては年々批判的な意見は増えていますが、伝統的なフランスの珍味・ごちそうとして、この時期の王道グルメのポジションを奪われることはすぐにはなさそうです。

ワイン