発酵パワー、自家製ワインビネガーをつくる
2024/06/10
皆さま、フランスからボンジュール!
夏バテにはまだ早いですが、フレッシュなサラダが軽くて食べやすい暑い季節が迫っていますね。
フランスでは夏の定番バーベキューにグリーンサラダ、特にレタスやサラダ菜だけのシンプルなサラダがよく食べられますので、味付けはシンプルに酢とオリーブオイルに少しのハーブが人気です。
酢というと、フランスはワインビネガーの発祥の地。
酸味の中にもワインの芳醇さが感じられるお酢です。
同じブドウのお酢でも、お隣イタリアのバルサミコ酢よりも軽くてさっぱりしているのが特徴。
日本は発酵食品大国ですが、お酢も発酵食品のひとつ。
例えば、ワインはコルクを開封してから空気に触れると酸化が始まり味が変化していきます。
ワインの種類や年齢によってはわざと空気に触れさせて酸化させるため別容器に移してから飲み始めることもあります。
また、開封した翌日のコンディションの悪いワインは、お酢になっておいしくない、という表現をしたりもします。
ワインとお酢が表裏一体、つながるのも納得!
そう考えると、このワインビネガー、自宅で作れるんじゃないかと思いませんか?
実は温度などの発酵環境さえ整えれば、あとは放っておくだけ。
とても簡単に自宅で自家製ワインビネガーが作れるのです。
作り方をご紹介します。
まずはお酢のもととなるもの、を作ります。
防腐剤(Sans sulfites)が入っていないコップ一杯のワインに、コップ一杯の有機酢を混ぜます。これを口の広い煮沸した瓶などの容器に入れて空気に触れさせた状態(瓶の口をガーゼで包む)で常温で2-3か月放置します。すると、底に分厚い塊(レバーのような、ゼリーのようなもの)が沈殿してきます。これがいわゆるお酢のもと、種菌(フランス語では母/Une mèreと呼びます)となります。
種菌ができたらお酢の醸造開始です。
種菌を傷つけないようにそっと取り出し、陶器のVinaigrier(酢を作るための容器、フランスでは有機スーパーや蚤の市で手に入ります)あるいは壺のようなものに移し、防腐剤の入っていないワインを2リットルほど注ぎ、夏場は二週間、冬場は二か月ほど発酵させます。
ちなみにこの種菌、自分で作れなくても、自家製ワインビネガーを持っている人に分けてもらったり、有機スーパーに売っているワインビネガーの瓶の底を覗いて塊が沈んでいたら種菌入りの瓶ですので、その種菌を使用してもよい、というわけです。
ちなみに種菌は生きていますので、分割して発酵友達とお裾分けしたり、瓶の中で保存して育て続けてもOK!
この発酵工程をマスターすれば、無限にワインビネガーが自宅で製造し続けられます。
お酢の醸造をする陶器のVinaigrier、フランスの蚤の市でよく手に入ると上述しましたが、その理由は簡単。
おばあちゃん世代では自宅キッチンでこのVinaigrierを使ってワインビネガーを作ることが割とポピュラーだったので、その頃の品が現在蚤の市で流通しています。
日本で昔おばあちゃんが梅壺で梅干しを漬けていたのと同じ感じですね。
我が家にも10年ほど前に蚤の市で手に入れたVinaigrierがあります(写真左)。
またつい最近、健康やリラックス・自然グッズを扱うフランスの人気雑貨店でこんな素敵なVinaigrierを見つけました(写真右)。
モダンなデザインで現代のキッチンにもマッチしそう。
私自身しばらくお休みしていたワインビネガーづくり、これを機に再開しようと思います!
発酵パワーで健康を目指して、昔ながらの変わらない方法でおいしくて体に良いお酢作りを自宅で楽しむのもなかなか楽しいですよ。
\シェアしてね!/