フランス式、冬の心身不調を乗り切る

2024/02/27

皆さま、フランスからボンジュール!

今年も目にするだけで元気の出る黄色いミモザが出回りはじめ、春の足音が近づいていることを感じています。待ち遠しいです。
みもざ

日本にいた頃は感じなかった冬の心身不調は、私自身フランスに来てから年を追うごとに益々実感をしています。
これにはフランスの気候が関係していますので、当然のこと。
日本は冬の不調よりも夏バテという言葉があるくらいですので、こちらフランスとは逆に厳しい暑さと湿度のある夏の方が不調がでやすいですが、フランスでは厳しい寒さ、極端な乾燥、そして何より日照時間の短さとグレーのどんよりした空がひたすら続く毎日により太陽光不足により、季節性うつ(冬季うつ病- la déprime de l’hiver)を引き起こします。この不調、ウィンターブル―とも呼ばれていて、なんとフランスでは3人に1人がかかるのだそう。
女性

では、このウィンターブル―ではどんな不調を感じるのかというと、

・気分が上がらず鬱々し、倦怠感から外出しなくなる
・常に悲しい気分がし、自信ややる気を喪失する
・ひたすら眠る、あるいは反対に眠れなくなる
・甘いものばかり摂取し、肥満傾向になる

といった感じで、特に女性の方がかかりやすいと言われています。
また、フランスと言っても北と南で気候が大きく異なりますから、霧が濃く暗い日が多いパリを含む北側(フランスを北と南に半分に分けて)の方が発症しやすいのだそう。

きり

フランス人がこのウィンターブルーを避けるために積極的に行っていること、また医師から勧められることがいくつかあります。

まずは、ライトセラピー(光療法)。
人工的に日光浴をすることで体内時計を正確に機能させる、また脳内にセロトニンの発生を促し精神安定効果を促進する、というのが目的。
日本では聞きなれないセラピーですが、フランス語でluminothérapie(リュミノテラピー)と呼ばれ、一定の明るさを放つ専用の照明で2週間毎日30分ほどライトを浴びる、というもの。
割と気軽に専用ライトが電気屋さんなどで手に入るうえに、医師による施術もあるのだそう。

効果は、1週間目から違いを実感する人が多く、二週目には95%の人が改善したという記事も目にしました。

加湿器

そして、医師に心身不調を相談すると処方してもらえるのが、ビタミンD。
液状のものやサプリメントタイプのものなど、処方箋なしでも薬局で入手できます。
太陽光がないと体内ではビタミンDが不足し、これが不調の主な原因となります。積極的に摂取したいですね。
錠

食べ物から摂取する場合にお勧めされるのは、青魚や脂身の多い魚(鮭など)・ナッツ系・乾燥フルーツ・玄米や全粒粉の穀物・卵・カカオなど。
ナッツ

あとは積極的に外気に触れる、スポーツをするなど基本的なことも日常的に気を付けられるポイントです。
男性

次の冬こそは、秋になったら日常の冬支度とともに、自分のメンタルヘルスケアとしてこういったことに気を付けてウィンターブルーを乗り切りたいと思います。

足