フランス人の健康と環境を意識した食生活の基本

2023/02/27

皆さま、フランスからボンジュール!

春の足音が近づいてきて、気持ちも明るくなってきた今日この頃です。
毎年お伝えしていますが、フランスの冬は本当に暗くて長いので、春が待ち遠しくてたまりません。

さて今日は、フランス人特にパリジャンが注目する食生活をご紹介します。
皆さん、<フレキシタリアン>という言葉を聞いたことがありますか?

日本でも<ベジタリアン>という生活スタイルが徐々に一般化してきて、世界的にみるとまだまだその人口は少ないものの、認知度は年々高まっていると思います。
こちらフランスでは<ベジタリアン>の人口自体は世界的に見ても決して多くはないのですが、ここ近年<フレキシタリアン>の人口が増えてきているそうなのです。
野菜
皆さんご存じだと思いますが、そもそも<ベジタリアン>とは菜食主義者のこと。
日常の食事で肉・魚を食べずに植物性の食事を摂取する考えのことです。
さらに<ビーガン>(完全菜食で衣服や日用品も動物性のものを避ける)や<ラクトベジタリアン>(基本菜食だが乳製品は摂取する)など複数の種類に分かれるのですが、いずれも健康・地産地消・動物愛護そして環境に配慮した考え方がベースとなっています。

その菜食主義の中の一種、<フレキシタリアン>とは、基本菜食として生活をするが、場合によっては動物性の食品も摂取するという、柔軟な考えの生活スタイルです。
野菜と牛

フランスは移民の多い多国籍な国なので、宗教上もともとベジタリアンの方も多く文化自体は取り入れられやすい一方で、もともとが食べることに好奇心旺盛な国民性、そして美食の国なので、厳格な<ベジタリアン>のルールに縛られることが難しい一面もあります。
また、家族や友人を自宅に招いたり・招かれたりして食事会をする機会も多いため、常にベジタリアンとして菜食主義を貫くのが難しいのも理由の一つだと思います。

トマト

しかし、年々加速するフランスのエコロジー思想。
これがフランス人特にパリジャンを菜食主義へと転換させるきっかけとなっています。
とにかく、大気汚染・プラスチック製品の廃止、畜産物や漁業による環境負荷対策など、国を挙げて次々と環境対策が発表し、世界をリードするエコ先進国なフランス。
国民それぞれの環境に対する意識ももちろん高く、それが肉食や魚食を極力控えようという考えに繋がっているのです。

女性

しかし先に述べた様に、完璧に<ベジタリアン>になろうと思っても、やはりハードルが高いもの。
この<フレキシタリアン>という考えに基づいた生活スタイルならば、手軽に取り組めます。

ラディッシュ

もともと日本人の食生活は、魚を食べる菜食ベースが基本の和食。
この食生活が欧米ではベジタリアンの方に人気で、ベジタリアンだけど魚は摂取するという<ペスカタリアン>というスタイルも確立されるほどです。
魚

もうすぐやってくる春の新学期を機に、健康と環境に配慮した<フレキシタリアン>な生活を取り入れてみるのも良いかもしれませんね。