フランス流風邪対策

2023/01/25

皆さま、フランスからボンジュール!

そして、Bonne année!(ボナネ/フランス語の新年のあいさつ)
2023年もたくさんのフランスの健康・食情報をお伝えして参りますので、どうぞ本年もお付き合いよろしくお願いします。

冬真っ只中のこの季節。
12月頃からフランスでは三つの感染症が流行中です。
その三つとは、全世代にインフルエンザ、乳幼児に細気管支炎、そしてコロナウイルス。
一時期は幼児病棟が不足し連日ニュースで報道されるほどの拡大ぶりでした。
男性
ここ数年コロナ対策でマスクを徹底していた反動か、マスクをせず規制のないフランスのこの冬は、コロナウイルス以外の感染症が増加傾向にあります。
ただの風邪で済めばよいですが、やはりインフルエンザは症状もつらいので日々の風邪予防が大切になってきます。

ということで、今日はフランス人が日々行う風邪対策をご紹介したいと思います。

まず日本人とフランス人とでは衛生観念が全く違います。
もちろんフランス人でも家庭によって全く異なりますが、例えば手洗いうがいの習慣がなかったり、毎日髪を洗わなかったり、テーブルにパンなどの食材を直置きしたり、家の中での土足習慣、ティッシュをハンカチのように何度も使ったりと、日本人からすると驚くことを日常で多々目にします。
しかしこれらのあまり衛生的とは言えない習慣もコロナ禍でずいぶんと変わり、手洗いやアルコール消毒は徹底し、ティッシュも使い捨てするように政府がテレビCMで促したり、様々な場面でフランス人も変わったな、と実感します。
手洗い
その一方で、こういった衛生観念とは別にフランス人が日々行っている風邪対策は結構気合の入ったものが多く、当初こういった習慣を知った頃は感心したものです。
それもこれも、フランスでは風邪や病気になっても医者は予約制なのになかなか予約がとれないことで有名なので、そもそも病気になる前に気を付ける人が多いのです。

受診

まずは、赤ちゃんの頃からの習慣、鼻うがい。
日本人は喉うがいが一般的ですが、こちらフランスでは圧倒的に鼻うがい。
赤ちゃんの日常のケアにも含まれるほど一般的です。
フランスは空気が乾燥しているので、鼻から喉にかけて痛めやすい、というのもあるのでしょうか。
海水スプレータイプのものが一般的でスーパーでも薬局でも手に入り、冬場はこれで鼻うがいをします。
赤ちゃんスプレー

続いて、ビタミン剤の補給。これも赤ちゃんの頃からの習慣です。
冬は日照時間が極端に短いフランス、太陽によるビタミン摂取がしづらいのでビタミン剤で摂取します。
例えばビタミンDは、免疫を高めるほか、乳幼児の骨や歯の形成に必要な栄養分でとても大切。生まれたときから五歳ごろまで摂取を推奨され、処方箋を出してくれます。
またそのほかのビタミン混合のサプリも豊富で、薬局ではどれを買ったらよいのかわからないほど。シロップ、オイル、カプセル、錠剤など様々なタイプがあります。
そろそろ風邪が流行りだしそうだなと感じたり、自分の免疫を高めたいとき、疲れがたまっているときなどに、ビタミン剤を積極的に摂取します。

シロップ錠剤
そして、エッセンシャルオイル。
様々な種類のアロマテラピーが非常に身近なフランス。
家庭でできるポピュラーなものは、大きめの鍋やボウルに熱湯と数滴のエッセンシャルオイル(タイムやユーカリ、ティーツリーなど)を入れ、そのボウルに顔を近づけて熱々の蒸気を10分間ほど吸う、という方法です。
頭から大きなタオルをかぶり、蒸気を逃さないようにする姿は少々滑稽ですが、これをすると鼻づまりやのどの痛みが本当にすっきりします。
エッセンシャルオイルは薬局で簡単に手に入りますが、持病やアレルギーがある方は合う合わないがあるので、薬剤師さんにしっかり相談をしましょう。
薬屋薬

他には、ハーブティー(以前にもご紹介したTisaneチザン)。
風邪の諸症状おもに咳止めに効果大なのが、タイムを煮出す方法。
風邪をひいたというと、タイム入りハーブティーを差し入れされたりします。
タイム

他にもたくさん様々な方法があると思いますが、日本とはまた違った対策で面白いですね。
寒い冬の間、日常の風邪対策にぜひフランス流を取り入れてみてはいかがでしょうか?