冬の定番野菜、かぼちゃ
2022/11/19
皆さま、フランスからボンジュール!
ハロウィーンが終わると一気に冬らしさが増すフランスです。
中にはハロウィーンの終わりを待たずにクリスマスの飾りを始めるお店やお宅もありますが、それだけフランス人にとってクリスマスは大切なイベント。
このクリスマスの空気感が冬らしさを感じさせてくれます。
さて、ハロウィーンでも活躍してくれたお野菜と言えば、かぼちゃ!
10月に入るとマルシェやスーパーでたくさんの種類のかぼちゃが出回り始めます。
年間を通してバラエティに富んだ野菜が並んでいる日本のスーパーに比べ、フランスでは季節ごとに売られている野菜がはっきりと異なります。
旬のものを頂く、という意識が強いのでしょうか。
そしてそれぞれの季節の到来も、並んでいる野菜を見て実感することが多いので、自然に倣ったリズムが非常に心地よくもあります。
フランスでは一般的にかぼちゃは、Citrouille/シトルイユやCourge/クルジュと呼ばれています。
なぜ呼び名が統一されていないかというと、これらはすべて品種の名称だからです。
Citrouille/シトルイユ、Courge/クルジュ、Potiron/ポティロン、Butternut/バターナッツ、Potimarron/ポティマロン、Courge spaghetti/そうめん南瓜など。
日本ではなかなか見かけないような品種もたくさんあり、夏野菜のズッキーニもこれらのかぼちゃの仲間の品種です。
フランス人でも、一般的な<かぼちゃ>を指す会話をする際、人によってCitrouille/シトルイユと言ったり、Courge/クルジュと言ったりバラバラです。
これらの欧州のかぼちゃ、日本品種に慣れた日本人にとってはお世辞にもおいしいとはいえないのですが、保存がきくので冬野菜の大定番です。
例えば、ハロウィーンで使われるジャック・オー・ランタンのかぼちゃと言ったらイメージしやすいと思うのですが、Citrouille/シトルイユ。
このかぼちゃはとにかく大きくて、水っぽく、繊維質。スープにできますが、味のあるものではありません。
食用としておすすめなのが、Butternut/バターナッツやPotiron/ポティロン・Potimarron/ポティマロン。
バターナッツはCourge/クルジュと同じ品種でひょうたん型のかぼちゃ。皮が薄いので包丁で切るのも簡単。フランスでは最もポピュラーな品種で、スープやピュレ、ソテーやグラタンなどに適しています。
Potiron/ポティロン・Potimarron/ポティマロンが日本のかぼちゃに近い品種で、特にポティマロンは栗カボチャという意味ですが、それでも日本のほくほく濃厚な味と甘さには及びません。やはり日本の品種と比べて水っぽいのです。
それでもPotimarron/ポティマロンは、日本と同じような煮物などの調理法が可能です。
ここ最近ではついに、Kabocha(Potiron vert)という品種も稀に見かけるようになりました。
まさに緑の硬い皮の日本品種のかぼちゃです。
かぼちゃのような保存のきく緑黄色野菜は、フランスの暗くて長い冬の貴重なビタミン源となるお野菜です。
この冬も積極的にかぼちゃを摂取していこうと思います。
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