フランス人のコーヒー文化

2022/07/22

皆さま、フランスからボンジュール!

毎日暑い日が続いています。
日本のじめじめした夏とは違い、太陽の日差しで焼かれるような暑さのヨーロッパ。
朝晩は爽やかですが、日中の太陽の下では肌が痛いです。
ヨーロッパではエアコンが一般的に普及していないので、家での暑さ対策と言えば、室内では窓と雨戸を閉め外からの熱波と太陽を遮断、部屋を暗くして扇風機を回すのが一般的です。
すごくアナログですが、湿気がないので意外にも太陽を遮断するだけで暑さが和らぎ、過ごしやすくなります。
とはいえ、今年は異常な暑さ。パリでは40度を超えました。
南フランスでは山火事の被害も拡大しています。
さすがに太陽が大好きなフランス人たちもこの暑さには大騒ぎ。エコロジーに敏感なフランス人たちは、この異常気象をどう改善するか日々熱い議論が交わされます。

さてそんなフランスはバカンス真っ只中。
7月14日のパリ祭を境に、パリジャンはバカンスに旅立つのでパリは一気に閑散とします。
特に今年は、昨年一昨年と海外渡航や規模を縮小して我慢していた夏のバカンスを取り返すかのように、パリジャンたちは浮足立ってバカンスに旅立っています。

そんなフランスの風景で思い受かべるのはカフェのテラスでコーヒーを飲んでいる人々の姿。いかにもパリらしい景色だと思いませんか?
ここでよく飲まれているコーヒー、フランス人の愛飲する飲み物なのですが、今日はこのコーヒーについてお話ししようと思います。

カフェテラス

フランスのカフェでよく飲まれているコーヒー、それはエスプレッソです。

エスプレッソ
エスプレッソというとお隣イタリアが有名ですが、こちらフランスのコーヒーも主流はエスプレッソ。
本場イタリアと比べるとフランスのエスプレッソはおいしくないと言われますが、最近は自家焙煎のコーヒー屋さんや豆にこだわったカフェも増えていて、そういったお店はやはりいつも満員。

抽出
また、日本で飲まれているコーヒーはアロンジェと呼ばれるフィルターコーヒーで、カフェなどではエスプレッソをお湯で割ったもののことを指します。

ドリップ
ここ近年では自宅で気軽にエスプレッソを入れられるカプセル式のマシーンやこだわりのエスプレッソマシーンが普及したので一家に一台という感じで毎食後のコーヒータイムを自宅でという人も増えました。

エスプレッソマシーン

フランス独特のコーヒー文化と言えば、Chicorée(シコレ)。
シコレという植物の根を炒ったものなのですが、これをコーヒー豆の代わりに使用します。
ノンカフェインのコーヒーとしてフランスではよく知られていて、お茶で言うと麦茶やルイボスのような立ち位置といったらわかりやすいでしょうか。
ハーブティーのようなものなので、やはり胃に良いとか様々な健康効能があります。

このシコレ、北フランスが産地でフランス産シコレのほとんどが北フランスで生産されています。
シコレが特産品である北フランスの方々はこのシコレの独特な風味や味が好きな方が多いようで、自宅でコーヒーを入れる際にコーヒー豆にシコレを一杯混ぜるなど日常的に親しまれています。
その独特な風味というのは、コーヒーよりも苦みが強く、独特の甘みがあり、個性の強い風味です。
写真はシコレの花。

シコレの花
フランス中のスーパーでは、シコレの粉末やシコレとコーヒーがすでに混ざったインスタントのものなどが簡単に手に入るので、ご興味のある方はぜひお試しあれ。

インスタントコーヒー
どんなコーヒーであれ、コーヒーカップを片手にホっとくつろいで、おしゃべりに花を咲かせるブレイクタイムがフランス人にとって欠かせない時間なのでしょう。
街中のカフェがいつもにぎわっているのも納得ですね。