フランスのオーガニック事情~BIOとは?

2020/12/14

今回は、フランスのBIO(ビオ)についてご紹介します。

BIOとは、いわゆる日本でいうオーガニック製品のことです。
フランス政府が定めた基準によりオーガニックと認められた製品につけられるマークは、ABマークと呼ばれ、“AB”はフランス語でl'agriculture biologique(有機農業)の略語です。

右の星つきのマークはEUの規定により、オーガニックと認定された製品につけられるマークです。
オーガニックマーク

日本でもスーパーでのオーガニック野菜や有機コーナーの設置、または自然食品専門店が展開されたりと、オーガニック・有機食品・無農薬栽培など、手に取りやすくなってきた傾向にはありますね。でもまだまだ割高だったり、種類が少なかったりという印象があります。

しかし、こちらフランスは世界でも有数の農業大国!BIO(オーガニック)については、かなり先進国です。

フランスでのBIOの始まりは、1980年。有機製品についての法律が制定され、1985年から有機製品であることの認定を取得した商品(野菜、肉、卵、加工食品など)にABマークを付けることでオーガニック製品として販売できるようになりました。とはいえ、フランスでの有機農業自体は古い歴史があり、遡ると随分長くなるので、また別の機会に。

さて、まずはスーパーの様子から。
野菜売り場には、BIOコーナーが必ず特設されています。BIOの目印、緑のABマークがどーんっと目を引きます。
BIO陳列棚

さらには、たいていのスーパーには、BIO製品専門の陳列棚があります。乳製品、シリアル、ジュース、チョコ、お菓子、調味料、レトルト食品、乾物、お茶、ハーブティー、化粧品、サプリメントなんでも揃っています。値段も、有機でないものよりちょっと高いくらいで気軽に手にとれます。
BIO陳列棚2

普通のスーパーに限らず、Magasin bio(マガザンビオ)と呼ばれるBIO製品専門のオーガニックスーパーがパリ市内、もちろんフランス国内中にたくさんあります。フランスから日本に進出、出店しているオーガニックスーパーもあります。オーガニックスーパーでは、BIO食材に加え、BIO化粧品やトイレットペーパー、掃除洗剤なども充実したラインナップで普段通りのお買い物ができます。そして味噌や醤油、豆腐に梅酢などの有機和食材が陳列されているのも特徴です。和食材は健康にいいとされているので、BIO志向の方に人気なのです。また、商品の計り売りや簡易包装も盛んです。エコバッグは今やみんなが持っているスタンダードですが、MY瓶を持ってシリアルや粉物を計り売りで購入する事ができます。(もちろんお店にも計り売り用の袋もあります)
BIO陳列棚3

それから、パンが主食のフランスでは行く先々(特にパリ市内は少し歩けばパン屋に当たる!)でパン屋さんを見かけますが、BIOの目印、ABマークを掲げた有機小麦を使ったパン屋さんも増えています。

と言った感じで、フランスのBIO(オーガニック)とは、既に生活の一部で、一過的なブームを過ぎ定着したものとなっています。

オーガニックって奥が深くて、日本でもフランスでも、身体に有害な物を摂取したくないからオーガニック野菜や食品、製品を購入するという方が大半だと思うのですが、また別の視点ではBIO製品を購入・消費する事で、有機農業を推進し、農薬使用量を減らす努力をする事で地球環境を改善していきたいという志向の方も多くいらっしゃいます。これは今、世界的な流れですよね。そういった流れから、エコロジーな簡易包装やエコロジーな洗剤を使うというところまで、オーガニックの考え方は派生します。
BIO陳列棚3

自然を大切にするライフスタイルが定着しているフランス。衣食住に関わるものを徹底してBIO生活にする人もいれば、このBIOのオレンジジュースが美味しいからこれしか買わない、くらいの気持ちでBIOを取り入れる事を楽しむ人、口に入れるものはBIOだけしか選ばない人など、スタンスは人それぞれ。

ちなみに今の時期だと、なんとクリスマスのもみの木もBIOのものが存在します!

そんなBIOを気軽に選択できるフランスっていいなって思いませんか?