フランスの水事情
2022/02/25
皆さま、フランスからボンジュール!
こちらフランスは二月に入り、日に日に日照時間が長くなりました。
くもり空ばかりのフランスの冬ですが、太陽が顔を出す日も増えてきて春の足音が近づいているのを感じます。
さて今日は、太陽が出れば出るほど必要となる「フランスの水事情」についてお話しします。
水は、人間にも自然にも欠かせない存在。人間のからだの60%を水分が占めると言われています。
「水が合わない」ということわざがありますが、土地や風習だけでなく、その言葉の通り土地の水に慣れるというのはとても大切なこと。私自身、日本とフランスでは日常で使う水の質が全く異なるので、日常的に飲料として口や身体に合い継続して飲める水を見つけることや、シャワーの水が髪や皮膚が慣れるまでは苦労をしました。
日本では蛇口をひねれば、清潔でおいしいお水が出てきます。日本の水道水は、世界的にもかなり高品質で有名ですね。日本の約五割の方が水道水を飲料水として利用しているそう。思ったより少ない印象ですが皆様はいかがでしょうか?もちろん、お茶や麦茶に加工して飲まれる方も多いでしょう。
しかしこちらフランスでは、水道水をそのまま飲むという人はかなり稀です。水質的に飲めない水ではないので飲んでも大丈夫なのですが、多くの人がスーパーでミネラルウォーターを買うか、ボトルタイプの浄水器で浄水した水を飲むか、という生活をしています。
スーパーでミネラルウォーター売り場を覗くと、こんなにたくさんの種類があります。
世界的に販売されている軟水、炭酸水など種類は豊富。
飲料水はミネラルウォーターの銘柄を時々変える方が身体に良いと耳にしてから、我が家は安価なものと良質なもの、日本茶を入れるのに適した軟水をローテーションで購入しています。
短期間のご旅行でフランスにいらっしゃる際は、フランスの水道水を口にしても問題ありません。
レストランで無料のお水をもらう場合、カラフ・ドーというのですが、これはいわゆる水道水のこと。水道水をフィルターしたお水を無料で出してくれるお店も多いです。(ちなみに幸修園パリ店も無料のお水は特別な機械でろ過した、おいしいお水をご提供しています。)フランスの水道水は硬水なので、味にくせがあります。お口に合わない場合は、ミネラルウォーターを頼みましょう。
長期滞在の場合は、おなかの調子のことも考えて、軟水のミネラルウォーターをお勧めします。なぜなら、硬水(水道水や硬度のミネラルウォーター)はマグネシウムやカルシウムの割合が高くお腹を下しやすいからです。
便秘気味の方には超硬水のミネラルウォーターを飲むと便秘解消になりますので、そういった銘柄をあえて飲むことをお勧めされることもありますが、日本人には飲みなれない硬水を急にたくさん摂取すると水あたりで体調を崩すリスクがありますので、お気を付けください。
ちなみに、硬水は赤ちゃんの繊細な内蔵には負担が大きすぎるため、フランスでは軟水を与えるのですが、哺乳瓶のミルクも軟水のミネラルウォーターで作ります。赤ちゃんも飲めるお水はどう判断できるかというと、ペットボトルに赤ちゃんマークがついているので見つけやすいです。
水質で言うと、住んでいる地域にもよると思いますが、例えばパリのアパルトマンは、建物自体が1800年、1900年代に建てられた歴史的建造物。見た目は素敵でおしゃれですが、電気配線や水道管などは長年手を加えて使い続けれられたもの。水道水を運んでくれる水道管自体が古いもので水道水の質を悪化させる原因になることも考えられます。
かたや、地方では石灰質で砂質土の土壌だと水が硬すぎるので、自宅の水道管の元の部分に大きなAdoucisseur(軟水化機)やフィルターといった設備を設置して、水を浄化することを勧められます。
これは水道管の元に設置するというのがポイントで、シャワーや洗濯機、食洗器、貯湯式タンク(家全体のお湯を作りだすための給湯機)など水道水を使う機械が、水に含まれる石灰によって故障するのを防ぐため、浄化が必要となるわけです。
例えば、フランスではシャワールームや水道周りは、常にお酢やカルキ洗剤でお掃除をしていないと、すぐに石灰でシンクやシャワー、蛇口が真っ白に固まってしまいます。掃除を怠ると、シャワーの目が石灰で詰まることも。
また、個人的な経験では、ある時水道からくすんだ色の水が出てきたことがありました。一度や二度ではありません。コップに水を汲んでみてみると、細かい砂が混ざっていたのです。砂質土の土壌で、水道局のフィルターで漉しきれなかったのでしょうか・・・。
こういう状況を目の当たりにすると、やっぱり水道水をそのまま飲む気にはなれません。
フランスの水事情、いかがでしたでしょうか。
フランスへお越しの機会があれば、「水が合う」を意識して過ごしてみてくださいね。
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