1月のデザート、Galette des rois(ガレット・デ・ロワ)
2022/01/24
皆さま、フランスからボンジュール!
こちらフランスは元旦だけが祝日で、前後は通常稼働の年末年始です。日本のようなお正月ムードはなく、割とあっさりと年越しを過ごします。とはいえ、新たな年を迎えると、気持ちも新たにシャキっとなりますね。
2022年もフランスの健康・食情報をお伝えして参りますので、どうぞ本年もお付き合いよろしくお願いします。
さて、新年早々のイベント事といえば、日本では七草粥、鏡開き・成人式がありますね。こちらフランスでは、エピファニー/Epiphanie(公現祭)が年明け最初のイベントにあたります。今日はそのエピファニー/Epiphanie(公現祭)についてお話させて頂きます。
毎年クリスマスの12日後にあたる1月6日がエピファニーの日です。この日は祝日ではありませんが、キリスト教の祭典日にあたり、日本語では公現祭と呼びます。Rois mages(ロワ・マージュ)と呼ばれる東方三賢者であるガスパール、メルキオール、バルタザールの三者が神の子Jejus(イエス・キリスト)を訪問した記念日とされています。
日本でいう松の内の期間のような感じで、ヨーロッパではイエス・キリストの降誕日にあたるクリスマスからエピファニーまでの間をお祝い期間としていますので、ヨーロッパで年が明けてもクリスマスツリーやクリスマスデコレーションが片付けられずに残っているのは、そのためです。1月6日のエピファニーを境に、ようやくクリスマス飾りが片付けられます。
そして、この日に食べる伝統的なデザートがあります。それがGalette des rois(ガレット・デ・ロワ)です。
現在はこの伝統的なデザートは習慣となっており、宗教色の強いものではありません。また、1月6日に絶対食べなければいけないというわけではなく、クリスマスが終わった頃からケーキ屋さんやパン屋さん、スーパーなどで売り出され始め、1月いっぱいは購入ができます。宗教行事が習慣・伝統へ広まり、1月の定番デザートとなったわけです。
ところでこのGalette des rois(ガレット・デ・ロワ)とは、アーモンドクリームの詰まったパイ生地の焼き菓子。今ではこのパイ生地のGalette des rois(ガレット・デ・ロワ)が主流ですが、もともとはブリオッシュパンだったとか。南仏の方では今でもブリオッシュのGalette des rois(ガレット・デ・ロワ)が食べられています。
このパイの中に、Fêve(フェ―ヴ)と呼ばれる小さな陶器の人形が入っており、食べる人数分にカットしたパイのどこかに隠れています。これを引き当てた人が、その日のRoi(王様)として王冠をかぶり、その一年が幸運になると言われています。
パイを切り分ける際に、切る人がFêve(フェ―ヴ)を見つけてしまうというアクシデントもよくありますが、切り分けた後に、最年少の人がテーブルの下にもぐり、どのパートを誰が食べるという指示を出すので、公平にFêve(フェ―ヴ)が当たるようになっています。
日本でも最近はGalette des rois(ガレット・デ・ロワ)が購入できるようですただし、日本では衛生と安全の面から、Fêve(フェ―ヴ)はパイの中には入っておらず、別でついているとのこと。確かに思い切ってパイにかぶりついて、知らずにFêve(フェ―ヴ)をガリっとしたら歯が折れてしまうので要注意です。
中に入っているFêve(フェ―ヴ)は、もともとは硬貨が使われており、その後乾燥したソラマメ(Fêve)、そして現在の陶器の人形へと変わっていきました。このFêve(フェ―ヴ)がかわいいものばかり。コレクターも多くいます。写真は私のFêve(フェ―ヴ)コレクションの一部です。
年の初めの運試し。
フランスでは、大人も子供も大好きな年初めのイベントです。1月中に何度もGalette des rois(ガレット・デ・ロワ)を食べる人もたくさんいます。お近くで購入ができない場合でも大丈夫。手作りで割と簡単にできるデザートなので、ぜひ皆さんもGalette des rois(ガレット・デ・ロワ)で運試しをお楽しみください。
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