これからが旬、リンゴ

2021/09/27

皆さま、フランスからボンジュール!

フランスは長い夏のバカンスが終わり、コロナ禍の影響も感じないほど、各々がバカンスを満喫したという感じの日焼け具合で入学・新学期(フランスは9月が学期初め)を迎えました。

夏のバカンスが終わると一気に秋めいて、爽やかで穏やかな9月の気候はあっという間に過ぎ去り、長い長いヨーロッパの冬が始まります。
特に今年は、天候に恵まれない夏で常に上着が手放せない雨や曇りの多い夏でしたので、このところ続いている爽やかなお天気が心地よいくらいです。

さてこれからの季節は「味覚の秋」とも呼ばれますが、日本にもフランスにもおいしいものがたくさん出回る中、旬を迎える果物のひとつ・リンゴについて今回ご紹介します。
リンゴ

フランス語でリンゴはPomme(ポム)と言います。
フランスでのリンゴの世帯消費量は、なんと17kg/年だそう。国民に最も購入されている果物で、フランス人が選ぶ好きな果物の上位には必ずランクインする果物です。
リンゴ

家庭では、そのまま食べるのが一番多い食べ方だと思いますが、焼き菓子としてTarte aux pommes(タルト・オ・ポム)やTarte tatin(タルト・タタン)に仕立てたり、コンポートに加工したりもします。
そしてお肉料理でも、一緒に煮込んだり、ソテーに付け合わせたりしてリンゴを活用します。特にジビエ料理やブーダン(豚の血と脂を固めて作ったソーセージ)のような独特な香りが強い料理には、匂い消しのためにリンゴの付け合わせが必須です。
リンゴ

ところで、海外の映画やドラマでリンゴを丸かじりしているシーンをよく見かけますが、フランスの街角でもそうしている方をしばしばお見掛けします。
朝ごはんに・サンドイッチのお供に・小腹が空いたときに、パクっとかじりついている印象です。健康的スナックという感覚なのでしょう。とはいえ、皮ごと丸かじりするには農薬不使用のBIOのものやきれいに拭くか・洗ったものを選ぶのが必須です。
リンゴ

そして、フランスでリンゴと言ったら、シードル。フランス北西部ブルターニュやノルマンディ地方で有名な、リンゴの発泡酒です。またそのシードルを蒸留させたカルヴァドス(リンゴのブランデー)も有名です。シードルはアルコール数が低く2-8%なので、気軽に飲めるアルコール飲料としてポピュラーです。
リンゴ

おいしいだけでなく、栄養成分も非常に優れたリンゴ。
ビタミン・有機酸・ポリフェノールだけでなく、特に皮の部分に食物繊維が含まれているのだそう。

イギリスでは、「一日一個のリンゴで医者知らず」と言うことわざがあるそうですが、フランスでは、おばあちゃんの知恵として「便秘にはリンゴジュース」が有名です。
でもこのリンゴジュースは普通のリンゴジュースではなく、昔ながらの瓶詰の農家さんで作っている生絞り100%リンゴジュースのことを指します。農家さんのリンゴジュースは、皮ごとプレスして、水や砂糖・保存料などを一切加えず瓶詰したもの。食物繊維が豊富で、さらに消化酵素が胃腸の働きを活性化させてくれます。生絞りリンゴジュースは、農家直売店で購入できますし、スーパーでもProduit artisanal(手作り)やProduit local(地産)のコーナーで大抵手に入ります。
リンゴ

日本の皆様もこれからが旬のリンゴ、ぜひお楽しみください。